放射能計測の現場から、どんな仕事か教えます。

科学計測機器を販売したり、計測に協力したりする会社に従事しています。

 

2011年の東日本大震災で、福島第一原子力発電所より、大量の放射性物質が漏洩したことから、扱いのあった放射能測定器が、官公庁のみならず、民間にも大量に出回り、てんてこ舞いの状況が続きました。

 

空間線量を計測する機器と、食品や土壌を鉛で遮蔽し、 Bq/kgに換算して計測する機器(用途にあわせてさまざまな検出機器がある)を扱いましたが、当時現場では、知識や情報の少なさから様々なトラブルが生まれました。

 

NaIシンチレーションのspectrometerは、簡易的に食品や作物、水、土壌の放射線量を計測するものなのですが、感度が高い変わりに天然にある放射性物質との夾雑を見極めることが出来ないため、当初は非常に苦労しました。

 

とあるときにですが、原子力発電所からの大きな漏洩が収まり、高い数値が出るはずの低い、放射性ヨウ素に数値が出ているという連絡がありました。確認して見ると、ある100Bq/kg程度の数値が出ていて、すぐにゲルマニウム半導体検出器の精密定量検査に出すことになりました。

 

しかし、精密検査をすると、検出せずです。

 

当初は機器の故障を疑いましたが、その後スペクトルを含めた検証をして、あることがわかったのです。

 

それは、天然界にも放射性物質は存在しているということ。計算のうえでは、放射性ヨウ素があるかのように計算されるのですが、それは実際は、天然に存在するものであり、放射性ヨウ素ではないということでした。

 

関東地方などで自主的に計測をしている、多くの機関で、同年の12月に放射性ヨウ素が検出が相次ぎましたが、それもかなり高い可能性で、天然の放射性物質(Bi214など)を計測されたことが推測されます。

 

放射能計測の難しさを、実感した瞬間でした。

 

逆も高い数値に、ビックリということもありました。

 

自主的な計測で、土壌などを検査することがあるのですが、とある検査場所から、サンプルから余りに高い数値が出ていて、壊れているかもしれないので、見に来てほしいとの連絡がありました。出向いてみると、 放射性セシウムで100万Bq/kgを越えるの計測結果。サンプルがなにかと確認すると、どうも木屑を燃やしたものらしいのです。

 

放射性物質を含んだものは、燃やして灰になると、濃縮されて、濃度が濃くなります。処理は、関係機関に問い合いせるように、対応をお願いしました。

 

この件では、放射能汚染の深刻さを感じました。身近なところに、濃度の高い放射性物質が存在していたわけですから。

 

現在でも、放射性物質の計測は続いております。廃炉が終わっていない状況です。これからも、こうして計り続けるしかないと思います

 

結果として、みなさんが安心して生活が出来ているという現実を、忘れないでいきたいです。