意外とオールマイティな力を要求される麻雀荘の接客係

10年以上前の話になりますが、私は大学生の時に興味本位で色々なアルバイトをしていました。

 

その中でも一番印象が強かったのが麻雀荘のアルバイトです。

 

自分が麻雀を打つわけではないし簡単な飲み物を出したり軽食を作ったり片付けをしたりする程度で、学生のアルバイトとしては破格の1200円を週払いでもらえるということで軽い気持ちで始めました。

 

しかし現実には世間知らずの男子大学生がやるにはかなり高度で、後述するように大家族のベテラン主婦の家事に近いようなハードな内容でした。

 

私がアルバイトをしていたお店は東京のオフィス街の神田周辺にありましたので、お客様方は仕事帰りのサラリーマンの方たちがほとんどです。

 

そのため私は学校の授業などが終わった後の15時くらいからお店に向かい、タイムカードを押した後は最初におしぼり作りを始めます。おしぼりをきれいに洗って適度な水分を残したままクルクル丸めて100本ほど用意して加温機と冷蔵庫に収めるのですが、これを1時間かけずに終わらせます。

 

後はお掃除や台所の片付けなどをしてお客様たちが見える17時半までにはお店の中をきれいにしておきます。もうこの時点で夏でも冬でも汗をかくぐらいの労働量ですし、のんびりしている暇は全くありません。

 

平日はだいたいお客様は2組か3組程度で21時くらいには皆さん帰られるので、開店一番の作業が終わってしまえば割と気楽なバイトではあったと思います。

 

しかし週末の金曜日と土曜日になるとまるで違った仕事内容になります。

 

まず週末になるとお客様の皆さんは閉店時間ギリギリの23時30分まで楽しんでいらっしゃることが多いですし、私がアルバイトしていたお店は全部で麻雀卓が12卓あったので基本的にはそれを一人で全部裁捌かねばならないのでかなり体力を残していないと乗り切れません。

 

50名前後のお客様がほぼ一斉に食べ物や飲み物を注文なさいますので、最初のうちは毎回パニック起こしていました。

 

私はそれまで実家で皿洗い一つやったことがなかったので突然そんな現場に放り込まれてしかも基本的に一人で回さなければいけないのでトイレに行くこともできず、何時間もひたすらインスタントラーメンを作りそれを運びどんぶりを洗ってまた新しい注文を受けるという状況になり、ものすごく流行っているラーメン屋さんの従業員の方たちの気持ちが10%理解できるようになりました。

 

それから日曜日は定休日なのですが、土曜日はお昼頃からお店を開けています。

 

土曜日はやはり昼間からお酒をお召しになってる方が多く、競馬などを楽しんだ後に仲間数人で麻雀をしながら反省会などというケースが多いのですが

 

やはりお酒をお召しになっている状態で麻雀に興じていると喧嘩をなさるお客様も結構いて、さすがに暴力沙汰になったことはほとんどありませんが、仲間内で大声で罵りあったりして他のお客様に迷惑をかけられることは日常茶飯時でした。

 

こういったことも最初は私も戸惑っていたのですが、長年こういった麻雀荘の商売をしてらっしゃるオーナーさんに教えてもらったりもして、酔客には毅然として大家族のお母ちゃんのように接するようにすれば意外とすんなりことが収まるという社会勉強もさせてもらいました。

 

私はもう中年と言われる年齢になり幸いなことに自分で始めた商売も今のところ順調なのですが

 

不思議と壁に当たった時は麻雀荘で延々とラーメンを作り続けた時の事を思い出すと気が楽になります。